山形学講座「山形を創る」〜地域へのアプローチ〜

 遊学館が主催する山形学講座というものに参加してきました。
詳しくはこちら→http://www.yugakukan.or.jp/kouza/k0010_02.html

レポート提出が最後の課題だったのですが、
そのレポートを公開したいと思います。
山形大好きっ子・恵美の気持ちをぶつけてみました。


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山形学講座受講レポート
「山形に生きる人として」

 山形学講座を受講しての一番の収穫は、山形に生き、山形を創ろうとしている熱い人たちがこんなにもたくさんいるのを知り得たことである。そして、私もその一員になりたいと再確認できたことである。
 人との縁とは不思議なものである。そもそも、この山形学講座を受講したきっかけは、山形メーリングリストPOYを通して友だちになった浅倉かおりさんが、コーディネイターとしてこの講座を企画しているのを知ったからだ。この縁がなければ、私は山形学講座の存在を知らなかっただろう。かおりさんとは2年ぐらい前からの付き合いだが、彼女自体が山形を創ろうと頑張っている人だと私は思う。ときには同じ時間を共有し楽しんだり、ときには人生の先輩としてアドバイスしてもらったりしていたのだが、山形に対するこだわりにとても共感していた。そんなかおりさんに少しでも近づきたくてこの講座を受講したのだ。
 そう、私は山形にこだわっている。生まれてからずっと山形で生活しているからだけではない。私は山形が好きなのだ。そのことを意識し始めたのは、大学受験の頃だっただろうか。周りの友だちが山形から離れて大学を受験すると聞く中で私は山形に残る決心をした。家庭の事情もあったのだが、山形にこだわって生きたいとなぜか思ったのである。このこだわりを実践し始めたのはつい最近のことだが、山形にはそのこだわりを持たせるだけの十分な魅力があった。なんて、そんなふうに言えば聞こえはいいが、もしかすると私のただの負け惜しみだったのかもしれない。自分では負けたのではないといつも言い聞かせているが、家を離れて暮らすことを選んだ友人がとてもうらやましかった。山形に残ろうとしている私はただの臆病者なのかもしれないと後ろめたさを感じていたのだ。だからこそ、山形をもっと好きになろうとしたのかもしれない。「あえて山形に残ったんだ」と言うことが、私にとって「勝つ」ということだった。「勝つ・負ける」という言葉がここで正しい意味をなしていないかもしれないが、気持ちはそれと近いと思う。でも、今の私は、これは正しい選択であったと確信している。私はやっぱり山形が好きで、山形にこだわって生きたいという気持ちがが間違いではなかったからだ。
 山形学講座が閉講した今、私の山形へのこだわりは2つの形を成していることに気が付いた。1つ目は、インターネットを通して山形にこだわったホームページを創ること。2つ目は、山形でしかできない舞台を創ること。1つ目はあとで述べることにして、2つ目の舞台のことから先に述べる。
 これを確認するきっかけとなったのは、山形学講座4回目の「働く」を受講したことである。「働くこと」には収入を得るために働くことと生き甲斐のために働くことの2つがある。パネリストのお2人は、その両方がほぼ一致した方なのだろう。そんなお二人の話を聞いていて、私は次のような疑問でいっぱいだった。私は今年に入って舞台活動がかなり増えた。舞台はまだ趣味の域でしかないが、ずっと続けていきたいことである。でも、舞台では食べていけない。他の仕事をしながら舞台をするしかないのだ。なかなか「やりたいこと=仕事」とはいかない。私は大学を卒業してからずっと学校で講師をしてきたが、先生という職業はやりがいがある反面とても大変な仕事である。片手間に出来るものではない。舞台と平行させるのは難しい職業なのだ。私の今の職業は社会的には講師である。それに、舞台は生き甲斐を求めることはできても収入を得るための職業として成り立つにはほど遠い。つまり舞台をすることを仕事と言っていいのだろうか。この講座の中ではその思いをうまく伝えることができなかったが、終わった後ずっと考えていた。そして答えが出た。舞台も私の1つの仕事であっていいのではないか、と。私だからこそできることもあるのではないか。山形に生きている私だからできる舞台があるのではないか。いや、そんな弱気ではいけない。私にしかできない舞台を創ろう!「私は山形のエンターテイナーになるんだ!」
 山形学を受講している方の中に、人のために何かをしたくて公務員になったという方がいた。素晴らしいと思う。でも、私にはできない。人のためよりまずは自分のため。自分が楽しむために舞台をやる。しかし、その楽しさが人に伝わって周りの人を楽しませることができたら最高だと思う。「夢を売る仕事は夢をもらう仕事」これからの私の2つ目のキーワードになりそうだ。1つ目のキーワードはもちろん「人生楽しく生きましょう!」。なんという自己中心的なやつと思われるかもしれないが、今の私の精一杯の気持ちなのである。
 そんなことを考える上で忘れてはいけないのが、ホームページである。山形にだってこんな活動してる人がいることをわかってもらうためには一番手っ取り早い方法であるからだ。講座の中で山形の地域性をうまく表した言葉を習った。『お手並み拝見文化』・・・新しいものはまずお手並みを拝見してから、、、という意味だ。山形はまさしくその文化である。私自身は山形に生きてきたので、そんなに感じることはなかったが、確かに思い当たる節はある。大学時代に始めたモダンダンスを山形市で普及させたいのだが、なかなか飛びついてくれない。そうなのだ、山形は新しいものに対しては非常の取っつきが悪いのである。おそらくそういった地域性は暗黙の了解だったのであろう。でも、私は違う。私は新しいものをどんどん山形で創っていきたい。しかも山形でしかできない新しいことをしたいのだ。山形にだってそう考えている人たちがたくさんいるはずだ。そんな人たちのネットワークがインターネットには多々ある。その一つとなるようにこれからもホームページを創っていきたい。興味のある方は、ぜひ見ていただきたい。まだまだ未熟なページではあるが、、、アドレスはhttp://www01.dewa.or.jp/~emisky/
 ここまで述べておきながら言うのもなんだが、私は、新しいものを山形に取り入れたいだけではない。山形の古いものも大好きである。そんな古いものを大切にしながら山形をもっと良くしていきたい。「山形にいたらこんなことできないよね」ではなく、「山形でしかこんなことできないよね」と言われるような山形にしたい。山形の悪いところもたくさんある。でもその悪いところもちゃんとわかって山形で生きていきたい。山形学講座はそんな私の考えを再確認させてくれた講座だったと思う。今回、いろんな方のお話を聞いたが、山形も捨てたもんじゃないよ!と背中を押してもらったような気がする。本当に面白い講座だった。