1,CCV教育システムについて


はじめに

 情報社会の今日、日本の教育は、情報機器の総合的活用を通して、大きく発展することとなった。とりわけ、現在の重要な教育課題は、インターネット、テレビ会議システムなどに見られる新たな情報システムに対応する協同学習の開拓である。2つの学校のクラス間の協同学習が、1つのクラス内での学習に比べて、子どもたちに、いかに多様で高次元の学習を可能にするか、考えただけでも、多くの理想を描くことが出来る。この協同学習が、日本と他国というように異国間となれば、どのようになるか。今や、子どもたちは、世界的視野で学習を進めることが可能になる。こうした夢と理想に満ちた教育が、今や、世界的な規模で始まろうとしている。
 教育へのこうした期待を込めて、CCV(Computer,Communication and Visual)教育システム研究会は1995年10月1日に発足した。
 

CCV教育システム研究会の発足

 このCCV教育システム研究会の発足に当たっては、研究会の会長である横地清氏のもとを卒業した研究者たちによる先だった研究会が契機となっている。横地氏の門下生には理工系の学者や科学技術の研究者が多いが、こうした研究者が集まって、1994年春以降、継続的に、日本の数学・理科教育をの発展をはかる研究会が開かれてきた。特に、今日の数学・理科教育では・既存の法則や練習問題の学習に終始するのではなく、独創的な問題の発見と、創造的な問題の解決が重要となる。そして、1994年9月4日の研究会では、こうした新しい教育を可能にする情報機器の開発が論議となる。そこで、三菱電機専務の伊藤利朗氏がテレビ会議システムの発展的活用と、協同学習に利用する80インチの明るいプロジェクタの開発を提案したのである。この提案を契機に、まさに即答と言えるほどに上記のCCV教育システム研究会の組織かが始まったのである。
 

CCV教育システムの目指すもの

想像力の育成
2つの地域の学校の子どもたち同士が、自分たちの考えや作品を発表・議論し合いながら、協同学習を行う。こうした学習により新たな発見や発想が生まれ、子どもたちの想像力が育成される。
総合学習の実現
子どもたちの創造活動を中心に、いくつかの教科を総合して高度な協同学習を実現する。
異文化の交流
ネットワークを通した交流で、学校が世界に開かれる。文化の異なる地域や海外との協同学習を実現し、相互に文化を敬愛し、さらに、その発展を図る。
教育内容の提案・新規教材の開発
マルチメディアを活かした新たな教育内容の提案、および学習アニメーションなどの新規の教材を開発する。数学からはじめ他教科に展開する。

  ホーム